圧巻の景観にダイナミックな戦記
こういうの求めてたと言わんばかりに芳流のやうに浴びることのできる飛行戦艦バトルロマン.
キャラクターたちも生き生きと動いていて驚くほどの解像度で情景が迫ってくる感じです.
前作の良いエッセンスはふんだんに継承しつつまたドキドキな世界観で抒情詩が始まった!とそんな期待に溢れた作品でした.
圧巻の景観にダイナミックな戦記
こういうの求めてたと言わんばかりに芳流のやうに浴びることのできる飛行戦艦バトルロマン.
キャラクターたちも生き生きと動いていて驚くほどの解像度で情景が迫ってくる感じです.
前作の良いエッセンスはふんだんに継承しつつまたドキドキな世界観で抒情詩が始まった!とそんな期待に溢れた作品でした.
世は広い 美しい
主人公が運搬係として磨きがかかりすぎている……たしかに激レアスキルとしてワープ系能力出してしまうと自然の帰結としてこうってしまうかもしれませんね…….
魔獣討伐や偉い人の会議,拠点の木材集めに労働力の確保……すべてにワープが大活躍です.
大人の時間も子供な時間も平等
同じ場所にいて同じ時間を過ごせば過ごすほど世代のギャップをまざまざと意識させられるんだと思います.しかし抱えている傷や楽しい思い出の重みは一緒で大人は大人のふりをしているだけというある種の優しさが心地よかったです.
イチャイチャらぶらぶシーンとほっこりシーンのバランスも良かったですが最後のご都合展開がどんな伏線とこれから展開していくのかが気になりました.
三角関係の爆弾は多分終わってないのでそれを楽しみにしつつ次巻を読みたいと思います.
判断と意志の力
チートはチートでもただではなくそこに判断に乗せる確かな意志が走っている点がとても興味深いですね.
今回は新ヒロイン?の勇者が本格的に登場.改めて規格外の能力に主人公も苦戦すると思いきや思わぬ展開に.
ハラハラドキドキはそのままに様々なシチュエーションに主人公の尋常ではない能力と工夫を楽しむことができるので全く飽きずに読めました.
次は学園を離れまた新たな展開があるとのことなので世界の広がりを見守りつつこの主人公の行く先を楽しみにしたいと思います.
未来と現実の狭間で
進路という多感な時期に適当に過ごすこともあれば真剣に考えることもあるテーマを軸に描きながら,それぞれのキャラクターの考えが等身大に描かれている様がとても興味深かったです.
一人ひとりのエピソードは決して長くないのですがどれも印象的で色彩を放っていましたね.
主人公も何かを掴みかけて手を伸ばしている様子なのですが,背伸びすることでまた見えなくなるものもあるという……そんなヒヤヒヤ感も楽しく読めました.
しかし……私はヒロインの悲しみなどに非常に敏感なので今巻のラストはとても心配になりました……頼むぞ主人公.
捨てたのは未来か歴史か
タイムトラベルSFなのに青春モノが持つ特有のアツさとどうしようもない強大で絶望的で正体不明な不安の暗さが混在するバランス感覚を持った作品であることを再認識です.
毎回メインとなるキャラクターを変えて同じテーマを違う側面でアツく描ききるパートと,ヒロインと主人公の関係性を軸に本筋を進めていくパートがありどちらも素晴らしいですね.
今巻もキャラクターたちが持つ芯から出てくるセリフがキレキレで,特に暗い雰囲気のときにこそ光る何かを必死に見つけようとするところがとても印象的でした.
まだまだ不明な点も多く伏線もあるのでまた楽しみに続刊を待ちたいと思います.
様々な出会いと別れの連続性
MMORPGの醍醐味は本来現実で出会えるはずもない様々な境遇のプレイヤーと仮想の中で出会いと別れを繰り返していくところだなぁとしみじみと感じることができました.
しかもそれは強い連続性の中で成立しているわけで,どんなに大きなイベントにもそれに繋がるための小さな積み重ねがあるということを描くことで世界観がとても広がる感覚を得ることができました.
大人気キャラクターであるユウキの過去の話もほんとに良かった.
コスプレも何かを隠す
同棲がついにバレましたがバレた相手ともフラグ立てちゃうのさすがラノベ主人公ですね.
コスプレでキャラクターを纏っても本人の魅力も重要だなと思います.
Vtuverやらナイトプールやら声優ネタやらで最新のトレンドを捉えつつラブコメとして引き締めるところは引き締めるというバランス感覚はやはり信頼と実績を感じます.
個人的には暗いところもある五条さんを推しているので次巻でもっと進展がほしいところ……楽しみにしています.
修行に次ぐ鍛錬
ライトノベルは修行せずにあっという間に強くなって無双してウンタラと叩いてきた人たちにこれでもかと言わんばかりに修行にフォーカスした話を持ってきましたね.
修行だけでもこんなにワクワクするのは作品全体に流れているある種の重たい空気感と合間に描かれる彼らのポジティブでコミカルな対比がいいからなんだと思います.
次々に訪れる困難を乗り越えて強くなってそれでも上から覆いかぶさってくる巨悪と更にどう戦うのか,そういうの飽きさせない作りに浸るのが心地よいんですよね.
とにかく続きが読みたいです.
仕事って苦しい
違和感が膨れ上がってどんどん形になってようやく気づいたときにこそ本気を出す……みたいなテンプレートが心地よい巻でした.
キャラクターたちは誰もが主人公の隣を歩くべく,それぞれの歩幅で前へ進みそれぞれの足で背伸びしてましたね.
その背伸びこそが成長……の呼び水なのですが本人にはなかなか気づけないものです.
幼き日の憧憬を捨ててそれでも足掻く若人とそれを見てサポートしたり悩んだりする大人とのコントラストがなんともいえぬドラマになってます.
また続きが本当に楽しみな作品です.